La Vida ~ A Story

Wednesday, October 20, 2004

アメリカン・ライフ~大学編v1.0

ふと気がつけば、毎日が楽しくて仕方がなかった。18歳に手に入れた自由と大人へのステップは気を大きくさせていた。

高校のグループの中でも私が一番先に大学に引っ越した。なぜならば学校がそれだけ早く始まるからだ。他の子たちは一ヶ月後にようやく引越しを始めるぐらいなのだが。暇つぶしと興味のため、私の親友は家族と共に引越しを手伝ってくれた。

45度の傾斜にようやくフォードのステーション・ワゴンを停めた頃、父親はくたくただった。ちょっとおしゃれなスキー・ロッジみたいな寮は一年間、私の新しい「ホーム」になる予定だった。

もともと二人部屋なのを三人で分けることになっていたので、少し落胆していたけれども、中は意外とスペースがあり、何よりも窓からの景色が素晴らしかった。カラっと晴れた青空の向こうにはサン・フランシスコがくっきりと見えた。キャンパスの隅っこだったが、第一印象は抜群だった。

人間は一生に幾つかのRites of Passageを経験するという。現代の若者たちにとって「大学入学」は正に大人と社会人になる一歩手前のRites of Passageなのではないかと思う。中流階級のアメリカ人の若者たちは特に「大学=一人暮らし」につながることが多い。いわゆる「巣立ち」なのだ。

Made in Japanでありながら、6歳の時からアメリカで育った私はとてもユニークな経験をしていると思う。日本人としてのアイデンティティー。アメリカ人として身についた習慣。そしてどちらの文化からもはみ出してしまう中途半端さ。今では笑い飛ばしてしまえる羞恥や昔話をこのウェブサイトに記してみようと思う。

ごらん遊びなされ。

「私、肥ってると思うの...。」

何も知らないナイーブなフレッシュマン(アメリカでは一年生のことをこう呼ぶ)のNo.1の悩みは「ルームメイト」である。

ルームメイトのホラーストーリーは毎年どんどん大げさに増長され、伸びるところまで伸びる。しかも、まんざら噂だけではないというところが恐ろしいのだ。

「部屋を散らかしっぱなしで体臭がひどい。」
「私の物を勝手に使うのよ。ある朝気がついていたらお気に入りの洋服がなくなっていたわ」
「女を連れこむ。」
「バスタブにコンドームが落ちていた。」
「部屋の真ん中でマスターベーションをしていた。」


ピンからキリまであるのだ。私は寮の通知を受け取った時、2人もルームメイトがいるのに気づいた。2人とも普通の人間である事を真剣に祈っていた。

大学からの通知には電話番号も記されていた。早速電話をかけてみたところ、一人とは連絡がとれ、もう一人とは一週間後にやっと話しができた。電話の上では二人ともノーマルそうであった。

しかし...。ジョイスはそうは思わなかったらしい。彼女は私がメッセージを残した一週間後に電話をかけてきてくれたのだが、一緒に暮らし始めて一ヵ月後、ある秘密を明かしてくれた。

「一番最初にあなたが電話をかけてきた時に少し心配だったのよ。」
「え?何で?」
「だって...。あんなメッセージ残すんだもん。どんなクレイジーなルームメイトなのかと思ったわ。」

...。

身に覚えの無い事を言われても...と思ったが、更に問いつめると彼女は「あなた電話で“I’m your new roommate. Um… Since you’re not home…. I think I’m kinda FAT ”ってメッセージを残したのよ。」

つまり、「私はあなたのルームメイト。あなたは家にいないのね。私、肥ってると思うの...。」と聞こえたらしい。

はい、正解は「私はあなたのルームメイト。あなたは家にいないのね。私、また電話かけるわ(“I think I’ll call you back”)」です。

どーいうヒアリングをしてるんじゃい?と言いたかったが、誤解はやっと解けたらしい。そんな変な印象を受けていたので、初めて会った日、彼女は拒食症、多食症、もしくはでっかい鯨のような女の子と一緒に住むのかとびくびくしていたらしい。

ちなみに彼女とは大学で一番の親友になり、結果的には2年間半ルームメイトをする事になった。もう一人の女の子はとてもだらしなく、下着は脱ぎ散らかし、食べ物をカビさせる、人の服を借りて返さない、あげくに酔っ払ってゲロをする、などと最悪のルームメイトであった。

First Impressionはあなどれないものだ。

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